ディーノ夢1作
です。
最初に書いてたのとはちょっといじってみた。
飲酒年齢がイタリアは20歳じゃなくてよい(18歳くらいだったはず。酒の種類にもよるが)からそのままで行こうとしたんですが、読んでる方が勘違いしてもいけないなと思って、ヒロイン20歳です。
さて、本誌で素敵ディーノさんが出てきたので、行きおいで書きました。
だから、今回はカテゴリが「創作」だったりします。
教室のドアが開くと同時に、入って来たのは見覚えのある金髪の青年。
驚きのあまり、蒼依は声を上げることもできずに固まってしまった。
事情を聞こうとしたが、ディーノはツナ達とどこかに行ってしまった。興味津々だったクラスメイト達は後をついていったようだが、蒼依はそんな気になれなかった。
クラスの女の子の反応を見て、ディーノはやっぱりモテるのだと感じた。
容姿もよくて、やさしくて、大人で。モテないはずはないとは思っていたけど、実際に目にするのとはやっぱり違っていて、ちょっとショックかもしれない。
「英語が苦手だったらよかったな……」
ディーノが先生として並中に来たのだから、毎日会えるかもしれないっていうのはうれしいが、二人っきりになれるなんてないだろうし、それこそ女生徒と二人っきりなんて教師の立場からしたら問題だろう。
苦手だったら、「ここが分からない」「ここを教えて欲しい」と言えたかもしれない。でも、蒼依は英語は得意だし、分からない振りをしてなんてことはできない。
ディーノはディーノで教師の仕事があるだろうから、邪魔をすることになる。
「ディーノさ……先生。どうしたんですか?」
書類の散らばった廊下でディーノを見つけた。
「ん? 蒼依か! ちょっと、ころんじまってな」
「っ?! ……手伝います」
笑顔を向けられ、赤くなっただろう顔を隠す為、書類拾いを手伝う。
「これで全部ですか?」
「ああ。grazie. いや、thanksか今は」
英語準備室に持っていくということで、蒼依も手伝うことになった。
「先生も似合ってますね」
「そうか! 慣れねーから失敗ばっかだけどな」
「でも、ディーノ先生カッコいいっていってる女の子多いですよ」
「……その女の子の中に蒼依も入ってるのか?」
「え?! えっと……その……」
「ありがとな。ここでいいぜ」
顔を上げると、いつの間にか英語準備室についていた。
ディーノは蒼依の持っていた書類を取り、中に入る。
が、服をひっぱられ、進めない。引っ張っているのはもちろん蒼依。
「あ、その……ってます」
「へ?」
「私も、入ってます。先生の、ことカッコいいって思ってます……」
蒼依の言葉にディーノは目を見開いて驚く。
がすぐ笑顔になり、蒼依の頭を撫でる。
「grazie.嬉しいぜ。気を付けて帰れよ」
「は、はい。また、メールします!!」
とんでもないことを口走ったと我に返ると、蒼依は顔を真っ赤にしつつ、その場から走りさった。
終われ
オマケ
走り去る蒼依の姿が見えなくなると、準備室に入りドアを閉める。
そして、ドアに背を預け、その場にしゃがみ込み頭を抱えた。
ちょっと、からかうつもりだったのに、思いもよらない返答がきた。
しかも、蒼依が「先生」なんて呼ぶものだから、イケナイことをしてる気分になった。
ツナの近くにいるために教師として、もぐり込んだが、ある意味失敗だったかもしれない。